経済性
節約燃料
太陽熱利用給湯システムを使用することによって、無償かつクリーンなエネルギーを得ることができ、その分だけ従来の燃料でまかなってきた必要なエネルギーを節約することができます。太陽から得られる１年間のエネルギー量、すなわち年間エネルギー節約量は、システムの種類によって異なるが、一般的には集熱面積が大きくなればなるほど大きくなります。この年間エネルギー節約量に燃料単価を掛ければ、各燃料における年間節約額が計算されます。
年間集熱量×燃料単価
年間節約燃料費＝――――――――――――
燃料発熱量×燃料効率
各システムの年間節約額試算表
A地域：日射量３，２００Ｋcal／u・日以上の地域
B地域：日射量３，０００〜３２，００Ｋcal／u・日の地域
C地域：日射量３，０００Ｋcal/u･日未満の地域
| システムの種類 | 地域区分 | 年間エネルギー節約量 | ＬＰガス節約額 | 都市ガス節約額 | 深夜電力節約額 | 石油節約額 |
| Ｍcal/台 | 万円／年 | 万円／年 | 万円／年 | 万円／年 |
| 汲み置き型太陽熱温水器 | A |
１．２５０ | ４．０ | ２．８ | ２．０ | ２．２ |
| B | １．０００ | ３．２ | ２．２ | １．６ | １．８ |
| C | ８５０ | ２．７ | １．９ | １．３ | １．５ |
| 自然循環型太陽熱温水器 | A | １．６００ | ５．１ | ３．６ | ２．５ | ２．８ |
| B | １．２５０ | ４．０ | ２．８ | ２．０ | ２．２ |
| C | ９５０ | ３．０ | ２．１ | １．５ | １．７
|
| 強制循環型給湯システム | A | ２．３００ | ７．１ | ４．８ | ３．３ | ３．８ |
| B | １．９５０ | ６．０ | ４．０ | ２．８ | ３．２ |
| C | １．６００ | ４．８ | ３．３ | ２．２ | ２．５ |
償却年数
太陽熱利用給湯システムは燃料を節約するための設備ではあるが、そのためには最初にそれなりの設備費用が必要になります。その設備費用がどの位の年数で償却できるかは最も関心のあるところです。太陽熱利用給湯システムを設置するための投資額が、年間節約量で年賦償還されるものとしての償却年数を算出するのは次の式で求めることができます。
太陽熱利用設備費 燃料価格上昇率−金利
log（（――――――――――） ×（―――――――――――）＋１）
年間節約燃料費 １＋燃料価格上昇率
償却年数 ＝―――――――――――――――――――――――――――――――――
１＋燃料価格上昇率
log（―――――――――――）
１＋金利
各システムの償却年数試算表
（金利５．５％ ､ エネルギー価格上昇率１５％として計算）
A地域：日射量３，２００Ｋcal／u・日以上の地域
B地域：日射量３，０００〜３２，００Ｋcal／u・日の地域
C地域：日射量３，０００Ｋcal/u･日未満の地域
| システムの種類 | 設備費(万円) | 地域区分 | 年間エネルギー節約量 | ＬＰガス | 都市ガス | 深夜電力 | 石油 |
| Ｍcal/台 | 年 | 年 | 年 | 年 |
| 汲み置き型太陽熱温水器 | 平均１３(１０〜１５） | A |
１．２５０ | ３．１ | ４．２ | ５．６ | ５．２ |
| B | １．０００ | ３．８ | ５．２ | ６．６ | ６．１ |
| C | ８５０ | ４．４ | ５．８ | ７．７ | ７．０ |
| 自然循環型太陽熱温水器 | 平均１９(１６〜２２） | A | １．６００ | ３．５ | ４．７ | ６．３ | ５．８ |
| B | １．２５０ | ４．３ | ５．８ | ７．５ | ６．９ |
| C | ９５０ | ５．５ | ７．２ | ９．２ | ８．４
|
| 強制循環型給湯システム | 平均５５（５０〜６０） | A | ２．３００ | ６．４ | ８．５ | １０．０ | １０．０ |
| B | １．９５０ | ７．０ | ９．７ | １２．２ | １１．２ |
| C | １．６００ | ８．５ | １１．０ | １４．１ | １３．１ |
上記試算表は共に数年前の財団法人 住宅・建築省エネルギー機構発表の試算表ですので正確には最近のソーラー機器価格、燃料価格、金利に合わせた計算が必要です。
節約効果
今日、地球規模での環境問題として、地球温暖化、酸性雨、熱帯雨林の減少と砂漠化の進行が挙げられます。この中で、地球温暖化防止は、温室効果ガスの５５lを占める大気中の二酸化炭素(ＣO2)を一定レベルまで低減する必要があります。平成９年末の地球温暖化防止京都会議で温室効果ガス節減目標として、日本では２０１０年までに１９９０年比で６l(約２３００万トン)の家庭用ＣO2節減が決まっています。
ソーラーシステム１台当たりのＣO2節減量／年
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機種＼項目 | 集熱面積 | 年間集熱量 | 原油節約量 | ＣO2節減量 |
| 太陽熱温水器 | ３u | １５６万Ｋcal | １７０g | ４５０Kg |
| ソーラーシステム | ６u | ３１２万Ｋcal | ３４０g | ９００Kg |
